季節の挨拶状を贈る時期やマナーとは
電話やメールでの連絡が幅広い年代に浸透した昨今では、手紙でのやり取りは少なくなったと言われていますが、年賀状や暑中お見舞いを出す人はまだまだ多いとされています。
挨拶状を贈る際には、さまざまなマナーがありますので注意しなければいけません。
ここでは、季節の挨拶状を贈る時期やマナーについてご紹介します。
季節の挨拶状にはどんな種類がある?
季節の挨拶状には、年賀状、寒中見舞い、余寒見舞い、暑中見舞い、残暑見舞い、喪中欠礼の6種類があります。
年賀状は、お世話になったお礼と新しい年の訪れを祝福し、健康と幸せを願う言葉を述べ、寒中見舞いと暑中見舞いは、1年でも特に寒い季節や暑い季節に相手の体調を気遣いながら、こちらの近況を伝えます。
余寒見舞いと残暑見舞いは、寒中見舞いや暑中見舞いを出しそびれたときに贈る挨拶状のこと。
そして喪中欠礼は、「喪中はがき」、「年賀状欠礼(はがき)」とも呼ばれ、その年に家族の不幸があった場合に出すものです。
挨拶状を贈るタイミングと書くときのマナー
では、各挨拶状を贈る際のタイミングやマナーとはどういったものなのでしょう? ここで具体的に紹介していきましょう。
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年賀状
年賀状は、元日から松の内(正月の門松を飾っておく期間)の期間である、1月1日~1月7日に届くよう贈るのがマナーです。
年賀状の受け付けは例年12月15日からはじまり、12月25日頃までに投函すると元旦に配達されるようになっています。
目上の人や上司に贈るときは「謹賀新年」など、「謹む」という言葉が入った賀詞を使うようにしましょう。
また前年を表すときには、不吉な言葉だとされる「去年」は避け、「昨年」、「旧年」とします。
日付は、「元旦」「20○○年1月1日」、「令和○年元旦」などとし、縦書きでは漢数字にしましょう。
「元旦」は1月1日の朝を意味しており、「1月1日元旦」と書くと意味が重複してしまうので使わないようにしてください。 -
寒中見舞い
寒中見舞いは、松の内があけた1月8日~2月3日の節分までに届くように贈ります。
もし喪中と知らずに年賀状を贈ってきてくれた人がいれば、喪中欠礼を出さなかったお詫びを書き添えます。
逆に、年賀状の出し忘れや喪中だと知らずに年賀状を贈ってしまった場合は、お詫びのひと言を添えて近況を書くようにしましょう。
日付は原則として手紙を書いた日を記しますが、令和○年1月としても問題はありません。 -
余寒見舞い
余寒見舞いは、立春を過ぎた2月5日~2月下旬までに届くように贈るものです。
また東北や山陰など、3月になっても寒い地域であれば3月6日の啓蟄(けいちつ)までに届けば問題ありません。
余寒見舞いは年賀状や寒中見舞いの時期を過ぎてしまったときに贈るものであり、寒中見舞い同様にお詫びのひと言を添えるようにしましょう。
通常の余寒見舞いであれば、「暦の上では立春ですが、寒い日が続きますね」などといった内容から書き出し、相手の体調を気遣うような文面にします。 -
暑中見舞い
暑中見舞いは、小暑の7月7日~立秋の8月7日に届くように贈ります。
日付を書くときは正確な日付は書かず、「令和○年盛夏」とします。お中元を贈る場合は、お中元の挨拶をかねて暑中見舞いとしても問題ありません。
お中元のお礼を兼ねて出す場合は、必ずお礼のひと言を書き添え、文末に「お礼まで」などと添えてください。 -
残暑見舞い
残暑見舞いは、8月7日以降、遅くても8月中に届くように贈るのがマナーです。日付を書くときは「令和○年晩夏」とします。
他の挨拶状と同様に、相手の体調を気遣ったり、こちらの近況を伝えるような内容にします。 -
喪中欠礼(喪中はがき)
喪中欠礼は、11月上旬~12月上旬までに届くように贈ります。
「喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます」と書き出し、それ続いて亡くなった方の続柄、名前、年齢、亡くなった日を書きます。
例えば「父(母)姓・名が、去る○月○日に○歳にて永眠いたしました」などとして、日頃のお礼を添えつつ、新しい年もお付き合いいただけるようにお願いする言葉を伝えます。日付は令和○年○月としてください。
共通の注意事項
季節の挨拶状では、拝啓、敬具などの頭語と結語は不要です。住所や宛名は縦書きにし、漢数字を使うのがスマートでしょう。
宛名ははがきの真ん中に大きく書きますが、便番号の1つ目と2つ目のマス目の間に文字の中心を据えるとバランスが取れます。
また、住所はきりのいいところで改行すると見やすいでしょう。
時候の挨拶とは
時候の挨拶とは、季節や気候に触れた挨拶の言葉。
いただきもののお礼、引っ越しや就職の連絡など、季節の挨拶状以外で手紙を出すときには、「拝啓」などの頭語に続いて時候の挨拶を記し、相手を気遣う文面にまとめることがマナーです。
時候の挨拶は月ごとのパターンがあるのでご紹介します。好みの文を選ぶか自分なりにアレンジするなどして使ってみてください。
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1月の時候の挨拶の言葉
・初春の候、新春の候、寒風の候、厳寒の候、大寒の候
・年が明け、いちだんと寒さが身にしみる季節になりました
・寒波の到来で身も凍えるような日々が続いております
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2月の時候の挨拶の言葉
・立春の候、節分の候、梅花の候、春寒の候、向春の候
・梅のつぼみがふくらみ春めいていた今日この頃です
・暦の上では春となりましたが、まだまだ寒い日が続いています
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3月の時候の挨拶の言葉
・早春の候、浅春の候、春分の候、軽暖の候、春色の候、
・寒さがやわらぎ、陽ざしにも春が感じられるようになりました
・春近しとはいえ、まだまだ朝夕の冷え込みは厳しい毎日です
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4月の時候の挨拶の言葉
・陽春の候、桜花の候、春嵐の候、惜春の候、穀雨の候
・日増しに暖かくなりツバメが飛来する季節となりました
・桜前線が南から北へと走り抜ける季節を迎えています
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5月の時候の挨拶の言葉
・新緑の候、若葉の候、薫風の候、暮春の候、立夏の候
・若葉が目にまぶしく光る季節がやって参りました
・五月晴れで風もさわやかな日々が続いております
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6月の時候の挨拶の言葉
・入梅の候、長雨の候、向暑の候、初夏の候、薄暑の候
・雨に濡れた紫陽花の花が輝きを増す季節となりました
・梅雨に入り、なかなかすっきりしない日が続いています
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7月の時候の挨拶の言葉
・仲夏の候、盛夏の候、炎暑の候、酷暑の候、暑中の候
・セミの鳴き声がにぎやかに響き渡る季節となりました
・梅雨明けとともに暑さ厳しき日々となっております
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8月の時候の挨拶の言葉
・晩夏の候、立秋の候、残暑の候、処暑の候、秋暑の候
・吹く風の中に秋の気配が感じられるようになりました
・立秋とは名ばかりのこと残暑の厳しい毎日です
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9月の時候の挨拶の言葉
・初秋の候、新秋の候、白露の候、新涼の候、秋分の候、
・暑さ寒さも彼岸までを実感する季節となりました
・吹く風に涼しさを感じる日々が続いています
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10月の時候の挨拶の言葉
・秋冷の候、紅葉の候、秋麗の候、清秋の候、秋晴の候
・菊の花が咲き誇り、香り漂う季節となって参りました
・実りの秋を迎え田畑の恵みに感謝する毎日です
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11月の時候の挨拶の言葉
・晩秋の候、深秋の候、落葉の候、向寒の候、初霜の候
・木々の落とした葉が風に舞う季節となりました
・吹く風の冷たさに本格的な冬が近いことを感じる日々です
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12月の時候の挨拶の言葉
・初冬の候、初雪の候、師走の候、寒冷の候、歳末の候
・師走の風の冷たさが身にしみる季節となりました
・年も押し詰まり、なにかとせわしない気持ちになる毎日です
「季節の挨拶状を贈る時期やマナーは? 時候の挨拶も解説」 まとめ
季節の挨拶状をスマートに贈ることができると、上司や目上の方に「きちんとした礼儀正しい人」という印象を与えることができます。
季節の挨拶状の書き方と贈るタイミングをしっかりと把握して、相手に失礼のないようにしましょう。